Google Meet で英語から日本語へ:英語の会議をリアルタイム翻訳する方法

Google Meet で英語から日本語に翻訳するには、2つのことが必要です。Meet の字幕を英語に設定することと、その英語字幕を日本語にする仕組みです。後者を担うのが Chrome 拡張の Clozo です。Meet の英語字幕を読み取り、話者名つきで、各行の下に日本語訳を通話画面の中に表示します。

この記事では、設定の手順、変えておくと便利な表示設定、そして英語力があっても聞き取りにくい場面(名前、数字、早口の議論、背景情報の不足)への対処法を順に説明します。英語字幕の自動翻訳を使って、英語の会議に付いていきたい方向けの内容です。

英語の会議を日本語で理解したい場面

参加者の誰にとっても母語ではないのに、英語が共通語になっている会議は珍しくありません。英語会議のリアルタイム翻訳を求める方が多いのは、たとえば次のような場面です。

  • 仕事:チーム会議、クライアントとの打ち合わせ、他社の会議にゲストとして参加するプレゼンなど。
  • 勉強:英語で行われる講義、ゼミ、グループワーク。
  • 面接:英語の面接で、質問を一つ残らず把握したいとき。
  • 家族や友人:パートナーの家族など、家庭内で英語を話す相手とのビデオ通話。

大まかな内容は分かっても、早口になったり聞き慣れない単語が出たりすると、細部を取りこぼしがちです。日本語訳の字幕があれば、各文を「もう一度読める」ので、一語聞き逃しただけで話の流れを見失うことが減ります。

最初に Meet の字幕の言語を英語に設定する

Meet の字幕は、字幕設定で選んだ1つの言語だけを文字にします。Clozo は字幕テキストから話されている言語を自動で判定して翻訳しますが、元になるのは Meet が出力した文字だけです。実際は英語で話しているのに Meet の字幕が別の言語になっていると、字幕自体が意味不明になり、それを翻訳しても意味は通りません。

設定は、通話中に More options > Settings > Captions > Language of the meeting を開き、English を選びます(Meet の表示言語によって、項目名は日本語で表示されることがあります)。字幕のオン・オフだけなら、通話画面下部のボタンか、キーボードの c キーで切り替えられます。

最初の1文から訳がおかしいときは、まずこの設定を確認してください。Clozo の黄色いピルのメニューにも、直し方を説明するヘルプ「字幕の言語が違いますか?」があります。

会議の途中で言語が切り替わる場合も同じです。Meet が字幕にできるのは一度に1言語なので、話者の言語が変わったら字幕の言語も変更します。

Clozo で英語字幕を日本語に翻訳する手順

  1. Clozo を追加します。Chrome ウェブストアから Chrome に追加します。パソコンの Chrome 116以降が必要です。
  2. 通話に参加します。meet.google.com で、自分の会議にも他の人の会議にも参加できます。無料の Google アカウントで使え、あなたもホストも Google Workspace は不要です。ボットが通話に入ることもありません。
  3. 字幕は Clozo が自動でオンにします。「字幕を自動でオンにする」の設定が、初期状態でオンになっています。
  4. 字幕の言語が英語か確認します。前の章のとおりです。
  5. 初回だけ同意します。何かが送信される前に、Clozo が確認します。「同意して翻訳」を押してください。「今はしない」を選ぶと、字幕は表示されますが翻訳は行われません。
  6. 翻訳先の言語を確認します。初期設定では、ブラウザの言語に翻訳します。黄色いピルに現在の翻訳先が表示され、メニューから変更できます。

これ以降は、英語の文が終わってから約1秒後に、その下に日本語訳が表示されます。見えるのはあなただけで、他の参加者の画面には何も表示されません。Clozo は音声を聞き取っているのではなく、ブラウザ上で Meet の字幕を読み取り、そのテキストだけを翻訳のために送ります。詳しくはプライバシーの概要をご覧ください。仕組みはClozo のしくみでも紹介しています。

英語字幕を日本語で読みやすくする表示設定

「両方」か「翻訳のみ」か

ピルのメニューや設定で、「両方」と「翻訳のみ」を切り替えられます。「両方」は英語と日本語を並べて表示します。英語の勉強も兼ねたいときに向いていて、キーワードは原文で拾い、残りは訳で補えます。「翻訳のみ」は2行ではなく1行を読むだけなので、議論が活発なときに追いやすくなります。

文字サイズと表示位置

文字サイズは4段階です。字幕は Meet 本来の字幕と同じ画面下部のままでも、上部に移しても、ハンドルで好きな位置までドラッグしても構いません。カメラや話者の映像の近くに置くと、視線を上げたまま読めます。

自分の発言

初期設定では、自分の発言は表示されますが翻訳されません。その分、無料の翻訳時間を節約できます。自分の発言も訳したい場合は、設定で「自分の発言も翻訳する」をオンにします。

すぐにオン・オフを切り替える

Alt+Shift+T で翻訳のオン・オフを切り替えられます。簡単な話題の間は翻訳を止めて、無料の時間を温存したいときに便利です。

ライブトランスクリプトで振り返る

ピルのメニューの「リアルタイム文字起こしを開く」を選ぶと、Chrome のサイドパネルにトランスクリプトが開きます。各エントリーには、話者、時刻、英語の原文、日本語訳が並びます。「検索」で単語を探し、「コピー」でテキストを取り出せます。TXT や PDF への書き出しは Pro の機能です。トランスクリプトはブラウザのメモリ上にだけ保存され、Chrome を閉じると消えます。直前の通話の分は、次の通話を始めるか Chrome を閉じるまで残るので、必要な部分は会議のあとすぐにコピーしておきましょう。

英語の会議が聞き取りにくい理由と、その対策

翻訳字幕が助けてくれるのは、主に言語の壁です。英語の会議が分かりにくくなる原因は他にもありますが、事前に備えられるものもあります。

人名や専門用語

字幕も翻訳も、珍しい名前、製品名、専門用語は苦手です。大事な会議の前に、出てきそうな名前や用語をメモしておきましょう。字幕で不自然に見える語があれば、訳をそのまま信じず、英語の原文の行を確認してください(「両方」表示が役立ちます)。

数字、日付、金額

数字は聞き間違えやすく、訳し間違いも起こりやすい部分です。大事な数字は、チャットで確認するか、復唱して確かめましょう。たとえば次のように言います。

  • “Just to confirm, that's the 15th, not the 50th?”(確認ですが、15日であって50日ではないですよね?)

数字は自分でもメモに書き留める習慣をつけると安心です。

アジェンダや資料を事前にもらう

背景が分かっていると、字幕はずっと読みやすくなります。事前にこう頼んでみてください。

  • “Could you send the agenda before the call?”(会議の前にアジェンダを送っていただけますか?)
  • “Could you share the slides afterwards?”(終わったあとにスライドを共有していただけますか?)

議題の一覧があれば、単語が1つ不明瞭でも、その文が何の話か見当がつきます。

もう一度言ってもらう、ゆっくり話してもらう

聞き返すのは普通のことで、丁寧な言い方もあります。

  • “Sorry, could you repeat that last point?”(すみません、最後の点をもう一度お願いできますか?)
  • “Could you say that a bit more slowly, please?”(もう少しゆっくり話していただけますか?)
  • “Can I check I understood: you mean we send the draft on Friday?”(確認させてください。金曜日に草案を送る、という理解で合っていますか?)

「分かりませんでした」と言うより、短く具体的に尋ねるほうが伝わります。訳は文が終わって約1秒後に出るので、返事をする前に、行が表示されるのを待ちましょう。

会議のあとでトランスクリプトを確認する

決定事項を聞き逃したときは、ライブトランスクリプトでキーワードを検索し、原文と訳を並べて読みます。契約、締め切り、医療や法律に関することなど、重要な内容を1行の訳だけで判断するのは避けてください。

Google Meet の英語字幕翻訳の限界

  • 品質は字幕しだいです。Clozo が翻訳できるのは、Meet が字幕にした内容だけです。訛り、同時発言、背景ノイズ、人名や専門用語は字幕の精度に影響し、機械翻訳の段階でも誤訳が起こりえます。訳を正確なものとして扱わないでください。
  • 音声ではなくテキストです。Clozo が表示するのは翻訳字幕です。音声で話すことも、録音も、要約も、Meet のチャットの翻訳もしません。
  • 1語ずつではありません。訳は文が終わって約1秒後に表示されます。長い文は、遅れないよう区切って翻訳されます。
  • パソコンの Chrome 上の Google Meet のみです。Zoom、Microsoft Teams、Webex、Meet のモバイルアプリ、Firefox、Safari には対応していません。
  • 無料の時間があります。無料プランでは、翻訳は1日15分までで、実際に何かが翻訳された分だけが数えられます。残り2分になると Clozo が知らせます。使い切ると翻訳は止まり、Meet の英語字幕はそのまま表示されます。Pro は月50時間です。料金をご覧ください。
  • 機密性の高い会議。Clozo では、翻訳字幕を使っていることを他の参加者に伝えること、そして機密性の高い会議では使わないことをお願いしています。

Meet 自体にも翻訳字幕機能がありますが、Google が対象としているのは特定の Google Workspace エディションだけで、すべてのアカウントでまだ使えるとは限りません。最新の対象は Google のヘルプページでご確認ください。Clozo は無料の Google アカウントで使え、他の人の会議へのゲスト参加でも使えます。ほかの疑問はよくある質問にもまとめています。

よくある質問

Google Meet の英語を無料で日本語に翻訳できますか?

制限つきで可能です。Clozo の無料プランでは、全言語とライブトランスクリプトを使って、毎日15分まで翻訳できます。無料の時間は毎日 UTC の午前0時に更新されます。

英語の会議なのに字幕も翻訳も意味不明になるのはなぜですか?

多くの場合、Meet の字幕の言語が実際に話されている言語と合っていません。通話中に More options > Settings > Captions > Language of the meeting を開き、English を選んでください。

Clozo で元の言語に英語を指定する必要はありますか?

必要ありません。Clozo は字幕テキストから話されている言語を自動で判定するので、選ぶのは翻訳先の言語だけです。初期設定ではブラウザの言語になります。

会議の他の参加者にも翻訳は見えますか?

見えません。Clozo と翻訳が見えるのはあなただけです。翻訳字幕を使っていることは、他の参加者に伝えておくと丁寧です。