Google Meet で同時通訳するには?3つの方法と設定手順

Google Meet の同時通訳は、一部の Google プランと限られた言語の組み合わせであれば使えます。Google の音声翻訳は話した内容を別の言語の音声に訳し、Google の翻訳字幕は翻訳をテキストで表示します。お使いのプランと言語が対象なら、ほかのものは必要ないかもしれません。対象外の場合は、Chrome 拡張機能の Clozo を使うと、無料の Google アカウントでもどの Meet 通話にも翻訳字幕を追加できます。

この記事では、それぞれの方法でできること、Clozo を使う場合の手順、よくあるトラブルの対処法、通話の前に知っておきたい制限をまとめます。

Google Meet だけで同時通訳はできる?

Google Meet には、翻訳に使える機能が2つ標準で用意されています。そして3つ目の方法として、Meet がもともと無料で提供している字幕を使うアドオンがあります。

  • 音声翻訳:話した内容を、話し手に似た声で別の言語に訳します。テキストではなく音声の翻訳です。
  • 翻訳字幕:リアルタイムの字幕を、選んだ言語に翻訳してテキストで表示します。
  • Clozo:Meet のライブ字幕を自分の言語に翻訳し、原文と翻訳を上下に並べて表示する Chrome 拡張機能です。

標準の2つの機能は、どちらも Google のプランに左右されます。会議では、主催者のプランも関係します。どれだけ手間がかかるかが最初の確認で決まるので、まずここをチェックしてください。

Google Meet の音声翻訳(音声の同時通訳)

Google によると、音声翻訳は話した内容を、話し手に似た声で別の言語に翻訳する機能です。企業向けには2026年1月27日に一般提供が始まりました(Google Workspace Updates)。

Google が示している条件は次のとおりです。

  • 対象プラン:Google AI Pro、Google AI Ultra、Business Standard と Plus、Enterprise Standard と Plus、Frontline Plus、Google AI Pro for Education。
  • 対応言語:英語とスペイン語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、イタリア語のいずれか。1回の会議で使えるのは1ペアです。
  • 上限:1回の会議につき90分。

英語を話す相手とスペイン語で話す場合などで、対象プランに入っていれば、通話を耳で聞いて翻訳してもらう方法に最も近い選択肢です。ただ、Google Meet の同時通訳を日本語で使いたい場合、日本語はこの対応言語に含まれていないため、この機能は使えません。英語を含まない組み合わせも同様です。条件は Google が変更する可能性があるため、利用前に Google の最新のヘルプページを確認してください。

Google Meet でリアルタイム翻訳:Google の翻訳字幕

翻訳字幕は、テキスト版の機能です。Google は対象プランとして Business Standard、Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plus、Google AI Pro for Education を挙げており、69言語との間で翻訳できるとしています。ただし「順次提供中で、まだ利用できない場合がある」とも説明しています。対象の Google Workspace エディションを持つユーザーが主催した会議なら、参加者も翻訳字幕を使えます。

Google のヘルプページにある手順は次のとおりです(表示名は環境によって異なる場合があります)。

  1. 会議中に「その他のオプション」>「設定」>「字幕」を開きます。
  2. 「会議の言語」の下で「翻訳字幕」をオンにします。
  3. 翻訳先の言語を選びます。

Google によると、翻訳字幕は Business Starter、Enterprise Starter と Essentials、Frontline Plus、Education Fundamentals・Standard・Plus、Workspace Individual と Essentials、そして Google One の各プランには含まれていません。無料の個人アカウントも対象一覧にはありません。ゲストとして会議に参加する場合は、自分ではなく主催者のエディションで決まります。

Clozo で Google Meet の同時通訳を日本語字幕で使う手順

Clozo は無料の Google アカウントで使えます。自分もホストも Google Workspace や有料の Google プランは必要なく、ボットが通話に参加することもありません。Meet 自身の字幕をブラウザ上で読み取って翻訳するため、ほかの参加者の画面には何も変わりません。

  1. Clozo をインストールする。Chrome ウェブストアから追加します。パソコン(Windows、macOS、Linux、ChromeOS)の Chrome 116 以降が必要です。
  2. meet.google.com の通話に参加する。自分で開いた会議でも、他の人の会議でも使えます。
  3. 字幕が自動でオンになるのを待つ。Clozo が Meet の字幕を自動でオンにします。「字幕を自動でオンにする」の設定は、初期状態でオンです。
  4. 最初に一度だけ同意する。初回は、何かを送信する前に Clozo が確認します。「同意して翻訳」を押してください。「今はしない」を選ぶと、字幕は表示されますが翻訳はされません。
  5. Meet の字幕言語を、実際に話されている言語にする。「その他のオプション」>「設定」>「字幕」>「会議の言語」で、参加者が実際に話している言語を選びます。Clozo は字幕テキストから話されている言語を自動で判別しますが、Meet が字幕にできるのは一度に1言語だけです。
  6. 翻訳先の言語を確認する。Clozo は初期状態でブラウザの言語に翻訳します。通話中の黄色いピルには、現在の翻訳先の言語と、無料プランでは今日の残り時間が表示されます。
  7. 字幕を読む。原文と翻訳が上下に並び、話者の名前とともに、文が終わってから約1秒後に表示されます。

画面の情報を減らしたい場合は、ピルのメニューか設定で、「両方」から「翻訳のみ」に切り替えられます。文字サイズは4段階、字幕は上に移動したり、ハンドルで好きな位置にドラッグしたりできます。Alt+Shift+T で翻訳のオン・オフを切り替えられます。

あとから内容を見返したいときは、ピルのメニューの「リアルタイム文字起こしを開く」を選びます。Chrome のサイドパネルに、話者、時刻、原文、翻訳が並び、「検索」や「コピー」も使えます。

どの方法が向いている?3つの比較

方法出力必要なもの
Google の音声翻訳似た声で翻訳された音声対象プラン。英語とスペイン語・フランス語・ドイツ語・ポルトガル語・イタリア語のいずれか。1回の会議につき90分まで
Google の翻訳字幕翻訳されたテキスト字幕対象の Workspace エディションを持つユーザーが主催する会議。Google の69言語の一覧にある言語
Clozo翻訳されたテキスト字幕(原文と翻訳を並べて表示)パソコンの Chrome、meet.google.com の通話、無料の Google アカウント

翻訳を耳で聞きたく、プランと言語の組み合わせが対象に入っているなら、Google の音声翻訳が合っています。主催者が対象エディションを持っていて、読むだけで足りるなら、Google の翻訳字幕で十分かもしれません。Clozo が役に立つのは、プランが対象外の場合、英語を含まない組み合わせの場合、そして他の人の会議にゲストとして参加する場合です。

WindowsとMacには、もう1つ選択肢があります。Chrome のライブキャプション(Chrome の設定 > ユーザー補助)は、動画通話を含む Chrome 内の音声から字幕を作成します。同じ画面のライブ翻訳で「翻訳先」を設定すると、その字幕を翻訳できます。Google によると、翻訳のために字幕は Google に送信されます。これは Meet 自身の字幕とは別に、Chrome 内の音声を対象にした機能です。

Clozo の無料プランでは、1日15分の翻訳が使えます。Pro は月額€6.99または年額€59で、月50時間まで使えます。詳しくは料金のセクションをご覧ください。

うまくいかない時の対処法

翻訳の内容がおかしい

ほとんどの場合、Meet の字幕言語と実際に話されている言語が合っていません。たとえばスペイン語で話しているのに Meet の字幕が英語に設定されていると、字幕が意味をなさず、翻訳も同じくおかしくなります。Meet の字幕設定で「会議の言語」を変更してください。Clozo のピルのメニューにも、ヘルプ項目「字幕の言語が違いますか?」があります。

字幕は出るが、翻訳されない

まだ同意していない可能性があります。「同意して翻訳」を押さないと、Clozo は字幕を表示するだけで翻訳はしません。設定でいつでも同意を取り消せるので、何かを変更した後に翻訳が止まった場合は、そこも確認してください。

通話の途中で翻訳が止まった

無料プランでは、翻訳は1日15分で止まります。残り2分になると Clozo が警告し、その後は Meet の字幕が原文のまま表示され続けます。カウントされるのは何かを翻訳した分だけで、無料の時間は毎日 UTC の0時に更新されます。

自分の発言が翻訳されない

初期設定では自分の発言は翻訳されません。時間の節約になるためです。翻訳したい場合は、設定で「自分の発言も翻訳する」をオンにしてください。

話者が言語を切り替える

Meet が字幕にできるのは一度に1言語です。会話の言語が変わったら、Meet の字幕言語も変更してください。

字幕を読み取れないという通知が出る

Meet がページを変更したときに起こることがあります。Clozo は拡張機能のアップデートなしで、更新されたページのセレクターをデータとして受け取れるので、少し時間をおいてからもう一度試してください。

Google Meet のリアルタイム翻訳の限界

  • 音声ではなくテキストです。Clozo は翻訳を音声で読み上げません。録画や要約もしません。Meet のチャットは翻訳されません。
  • 品質は字幕しだいです。アクセント、同時発話、背景ノイズ、名前や専門用語は Meet の字幕に影響し、機械翻訳にも誤りが出ることがあります。誤りが許されない細かい点は、翻訳だけに頼らないでください。
  • 一語ずつの翻訳ではありません。翻訳は文が終わってから約1秒後に表示されます。長い文は区切って翻訳され、Meet が字幕を修正すると Clozo も翻訳を更新します。
  • パソコンの Chrome の Google Meet のみです。Zoom、Microsoft Teams、Webex、Meet のモバイルアプリ、Firefox、Safari には対応していません。
  • プライバシー。翻訳のために送られるのは、字幕のテキスト(文脈として直前の1〜2文を含む)だけです。音声、映像、参加者の名前、会議のリンクは送られず、同意するまでブラウザの外には何も出ません。詳しくはプライバシーの要点をご覧ください。字幕が翻訳されていることはほかの参加者にも伝え、機密性の高い会議では Clozo を使わないでください。

全体の流れはClozo のしくみで確認できます。

よくある質問

Google Meet は音声を自動で翻訳してくれますか?

特定のプランに限られます。Google の音声翻訳は、英語とスペイン語、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語、イタリア語のいずれか1ペアが対象で、1回の会議につき90分までです。それ以外の通話は、対象プランの Google 翻訳字幕か Clozo で、テキストとして翻訳できます。

無料の Google アカウントで Google Meet の翻訳字幕は使えますか?

Google が示す翻訳字幕の対象プランに、無料の個人アカウントは含まれていません。ただし、対象の Workspace エディションを持つユーザーが主催する会議なら、参加者として使えます。Clozo は無料の Google アカウントで使えます。

Clozo は他の参加者の声を翻訳しますか?

いいえ。Clozo が翻訳するのは Meet のテキスト字幕で、音声や声の翻訳は行いません。原文と翻訳が、話者の名前とともに上下に表示されます。

Clozo は無料でどのくらい翻訳できますか?

無料プランでは、すべての言語で1日15分まで翻訳でき、リアルタイム文字起こしも使えます。何かを翻訳した分だけがカウントされ、毎日 UTC の0時に更新されます。