外国語のクライアント会議がフリーランスにとって難しい理由
クライアントとの会議は講義とは違います。相手は話をさえぎり、話題を変え、略語も使います。こちらは文を理解しきる前に反応し、範囲、納期、金額まで決めることも少なくありません。
海外のクライアントを持つフリーランスには、次のような事情が重なります。
- 通話の責任をひとりで負う。「今、何て言った?」と聞ける同僚がいません。
- 細部が重要。数字、日付、成果物を聞き間違えると、あとで自分の問題になります。
- 第一印象が大切。何度も聞き返すと、実際より準備不足に見えることがあります。
- 固有名詞と専門用語。クライアントの社名、製品名、業界用語は、最初に聞き取れなくなりがちです。
目標は、すべてを理解したふりをすることではありません。的確に答えられる程度に会話を追い、あとで確認できる材料を手元に残すことです。
会議の前に:Google Meet の字幕を翻訳する準備
Meet の字幕言語を、実際に話されている言語に合わせる
Meet の字幕は、一度に 1 つの話し言語にしか対応しません。たとえばクライアントがポルトガル語を話しているのに、Meet の字幕が英語に設定されていると、字幕は意味をなさず、それをもとにした翻訳も同じです。会議中に「その他のオプション」→「設定」→「字幕」→「会議の言語」を開き、クライアントの言語を選びます(Google の手順)。通話の途中で 2 つの言語を行き来する場合は、言語が変わるたびにこの設定を切り替えてください。
Clozo を入れて設定を確認する
Clozo は、Meet のライブ字幕を読み取って自分の言語に翻訳する Chrome 拡張機能です。パソコンの Chrome で、meet.google.com の通話で使えます。Chrome ウェブストアから追加し、詳しい仕組みはClozo の仕組みをご覧ください。翻訳先は標準でブラウザの言語になります。話されている言語は自動で検出するため、自分で選ぶのは翻訳先の言語だけです。
設定では、次の 2 点を確認しておくと安心です。「字幕を自動でオンにする」(標準でオン)と、表示モードの「両方」または「翻訳のみ」です。クライアントとの会議では、あとで説明する理由から「両方」がおすすめです。
短いテスト通話をする
本番の前に、ひとり、または友人と Meet の通話を開いてみましょう。初回は、何かが送信される前に Clozo が同意を求めます(「同意して翻訳」)。他の誰かが話す前に自分が話した場合は、「この通話で自分の発言も翻訳」というボタンが表示されるので、翻訳の出方を確かめられます。テストの間に、文字サイズ(4 段階)と表示位置(下、上、またはドラッグで好きな場所)を決めておくと、クライアントの映像に重ならない配置を選べます。
クライアントが Zoom や Teams を使っている場合、Clozo は使えません。Clozo が対応するのは Google Meet のみです。Meet のリンクを送ってもらうようお願いするのは、よくある普通の依頼です。
通話中:字幕のリアルタイム翻訳で会話を追う手順
- Meet の通話に参加する。Clozo が Meet の字幕を自動でオンにします。字幕と翻訳が見えるのは自分だけで、クライアントの画面は何も変わりません。
- 字幕の言語を早めに確認する。最初の 1 分で文字がおかしいと感じたら、Clozo のメニュー(黄色のピル)にある「字幕の言語が違いますか?」を開き、Meet の設定を直します。
- 「両方」にしておく。原文と翻訳が上下に並び、話している人の名前も表示されます。クライアントの言葉そのものが見えるので、知っている名前、数字、用語は原文で拾え、分からない部分は翻訳で補えます。
- 話者名を見る。クライアントの上司や開発担当など、複数人が参加する通話では、誰がどの約束をしたのか判断できます。
- 文字サイズを調整する。資料や共有画面を見ながら読む場合は、見やすい大きさにします。
- 少しの遅れを見込む。最終的な翻訳は、文が終わってから 1〜2 秒後に表示されます。話している最中は、薄い色の暫定翻訳が約 1 秒ごとに更新されます。文が終わるのを待ってから反応しましょう。
- リアルタイム文字起こしを開く。確認したいことがあれば、ピルのメニューから「リアルタイム文字起こしを開く」を選びます。Chrome のサイドパネルに、発言ごとの話者、時刻、原文、翻訳が表示され、「検索」と「コピー」も使えます。
実践的な習慣として、クライアントが数字、日付、成果物を口にしたら、復唱して確認しましょう。たとえば「初稿の納期は 14 日ですね?」のように聞き返します。字幕を見ながら復唱すると、確認がより確実になります。
無料プランでは、1 日 15 分まで翻訳できます。数えられるのは何かが翻訳された分だけです。長い通話では使い切ることがあり、その場合は翻訳が止まり、Meet 本来の字幕だけが残ります。残り 2 分になると Clozo が知らせてくれます。長い通話が多いなら、Pro なら月 50 時間まで翻訳できます。自分の発言は、標準では表示されるだけで翻訳されないため、その分の分数も節約できます。
通話後:文字起こしで合意した内容を確認する
フリーランスにとって、いちばん価値があるのが文字起こしです。通話が終わったらすぐにスクロールして、リスクのある箇所を探します。業務範囲、金額、納期、誰が何を送るのか、「あとで決めましょう」となった点などです。
- 「検索」で、案件名、通貨、月の名前などの言葉に素早く移動できます。
- おかしいと感じた部分は、原文と翻訳を見比べます。重要な文は、原文を信頼し、クライアントに確認してください。
- 「コピー」で、要点をメモに貼り付けられます。
Pro なら、文字起こしを TXT や PDF で書き出せます。「合意した内容を以下にまとめました。誤解があれば教えてください」というメールを書くときに便利です。フォローアップは、クライアントの言語か、簡単で分かりやすい英語で書くと、認識のずれの多くを防げます。
注意点として、文字起こしはブラウザのメモリ上にだけ保存されます。Chrome を閉じると消え、直近の通話の分も、次の通話が始まるか Chrome を閉じるまでしか残りません。ブラウザを閉じる前にコピーまたは書き出しをしてください。Clozo は通話を録音せず、要約や議事録も作りません。文字起こしは字幕のテキストであり、それ以上のものではありません。
ツールがなくてもできる、海外クライアントとの会議のコツ
- アジェンダをもらう。前日に箇条書き 3 点だけでも届けば、用語の準備ができます。
- キーワードを 10 個覚える。「納期」「請求書」「修正」など、案件で使う言葉をクライアントの言語で覚えておくと、熱意も伝わり、驚くことも減ります。
- 丁寧にペースを落としてもらう。「正確に理解したいので、もう少しゆっくりお願いできますか」と言えば、弱さではなく、プロらしさとして受け取られます。
- 10 分に 1 回くらい口頭でまとめる。「ここまでの認識で合っているか確認させてください」と伝えます。
- 数字は文字で残す。金額や日付は Meet のチャットに入力してもらうか、フォローアップのメールで繰り返します。なお、Clozo は Meet のチャットを翻訳しません。
- 1 日以内に文書で要点を送る。双方の保護になります。
自動翻訳の限界と、クライアントへの伝え方
Clozo が翻訳できるのは、Meet が字幕にした内容だけです。強い訛り、同時に話す声、背景ノイズ、固有名詞や専門用語は字幕の品質を下げ、機械翻訳には間違いが含まれることもあります。Clozo は文字を翻訳するもので、音声を読み上げたり、音声を翻訳したりはしません。法務や金額に関わる重要な点は、必ず文書で確認してください。
Google も Meet に翻訳字幕機能を用意していますが、利用できるのは一部の Workspace エディションに限られ、会議の主催者が対象エディションのユーザーである必要があります(Google の一覧を参照)。Clozo は無料の Google アカウントで使え、自分もクライアントも Google Workspace は必要ありません。
マナーとして、Clozo では、翻訳字幕を使っていることを他の参加者に伝えるようお願いしています。一言で済みます。「ライブ翻訳字幕で内容を追っているので、返事に少し時間がかかるかもしれません」といった具合です。多くのクライアントは、弱みではなく気配りとして受け取ります。また、機密性の高い会議では Clozo を使わないでください。翻訳のために送信されるのは字幕のテキストだけ(文脈として直前の 1〜2 文を含みます)で、Clozo のサーバーには何も保存されません。詳しくはプライバシーの概要をご覧ください。同意は設定でいつでも取り消せます。
よくある質問
クライアントに何もしてもらわずに、Google Meet の会議をリアルタイム翻訳できますか?
はい。Clozo は自分側の Chrome だけで動き、クライアントがインストールや設定変更をする必要はありません。Meet の字幕は、実際に話されている言語に設定してください。
自分の翻訳字幕はクライアントにも見えますか?
いいえ。Clozo と翻訳が見えるのは自分だけです。ただ、翻訳字幕を使っていることはクライアントに伝えておくと丁寧です。
クライアントとの会議には無料プランで足りますか?
無料プランでは 1 日 15 分まで翻訳でき、数えられるのは何かが翻訳された分だけです。長い通話では使い切ることがあります。Pro なら月 50 時間まで翻訳できます。
通話で合意した内容の記録を残せますか?
リアルタイム文字起こしには、話者、時刻、原文、翻訳が並び、検索とコピーができます。TXT や PDF での書き出しは Pro の機能です。Chrome を閉じると消えるので、その前に保存してください。
Zoom や Teams でのクライアント会議にも使えますか?
いいえ。Clozo が対応するのは、パソコンの Chrome での Google Meet のみです。Zoom や Teams の場合は、クライアントに Meet のリンクを使ってもらえないか相談してみてください。